よくある質問(FAQ)

A: 人は「血管とともに老いる」と言われます。また「脚から老いる」とも言われます。これは、血管の健康や筋力が若さと健康の根幹にあることを示しています。さらに、心肺機能は加齢とともに低下し、活動量や生活の質に直結します。
加えて、内臓脂肪や異所性脂肪は、炎症性サイトカインの分泌や動脈硬化、臓器機能低下などを通じて老化を加速させます。
内臓脂肪・異所性脂肪、筋力、心肺機能、血行が悪化すると、老化の進行が加速する傾向があります。逆に、これらを改善すれば、個人差はありますが、機能的年齢の維持や若々しさの回復に繋がる可能性があります。
日常生活でこれら各要素の緩やかな加齢変化を計測することは困難ですが、通常歩行速度はこれらの要素の総合的な指標として活用できます。

A: 主には下肢筋力、心肺機能、血行(末梢循環・血管弾性)、神経筋制御が強く影響します。関節に問題があればこれも影響します。神経筋制御は高齢期に影響が出てきます。
影響要因が若さと健康の要素と重なっており、通常歩行速度はそれらの総合的な指標と言えます。
また内臓脂肪・異所性脂肪は体重増加=負荷の増加を招くと共に、長期的に血管を硬くし血行を悪くする、また心肺機能を低下させる懸念があります。

A: 確かに歩行速度はその人の性格や生活習慣でも少し変わりますが、同じ人では長期的には体の変化を敏感に映し出します。

A: 通常歩行速度は様々な速度の平均値としては計算しているわけではないので、早く歩く時があっても基本的には値が速くなることはありません。
24時間、一週間、ずっと意識的に速く歩くことはできません。どうしても速度を意識しないで自然に歩きやすい速さで歩くことが多くなります。
ただ速足の時間がとても長く、更に特定の条件を満たした場合は、通常歩行速度の候補が二つ生じる場合が稀にあります。

A: 「通常速度診断」は、24時間自動計測しているので、端末を持ち歩くだけで通常歩行速度が計測されます。
但し、アプリをずっと開いていないと、OSが使用されていないものと見なして勝手にアプリを停止してしまうため、一日に一回はアプリを開いてデータを閲覧してください。
またバッテリー残量が少ないと、OSが省電力を優先して止めてしまうことが多く、早めに充電しておいてください。

A: 「歩行速度診断」は、アプリを開くと過去5日分の通常歩行速度を自動的に計測します。
iPhoneでは付属のショートカット・アプリで完全自動化できます。「ショートカット・アプリの使い方」を検索し、自動起動の設定はiPhoneを確実に使っている時間帯にしてください。

A: 計測データがないため、0歩、0㎞/時と表示されます。
通常歩行速度は、1か月ほどの計測期間で安定するものであり、週の半分程度持ち歩くだけでも十分だと思われます。

A: このアプリは、人間の歩行リズムの特性と、スマートフォン・センサデータの高度処理技術を組み合わせることで、日常の自然な歩行速度を非常に正確に測定できるよう設計されています。
ただ、正確であっても必ず測定誤差は伴います。通常歩行速度の変化は非常に緩やかなため、3ないし5%の変化の検出が可能なことが重要です。
このアプリの測定精度は、その条件を満たしています。

A: 次の研究で、505名の参加者のデータから確認できています。
Characteristics of cadence during continuous walking in daily life – Cell Press
https://www.cell.com/heliyon/fulltext/S2405-8440(24)06000-6

A: 筋力、心肺機能、血行が改善するには通常数か月以上の期間が必要です。通常歩行速度をそれらの総合的な指標と捉えると、同程度の期間以上、できるだけ長期に使い続けることをお薦めします。
尚、途中で空白期間があっても良いのですが、その場合はデータをメモしておいてください。

A:研究によって差はあるのですが、
厚生労働省の年齢別体力基準値表(快適歩行速度)では、以下の通りとなっています。
(65-69歳)時速5.0±0.8km  
(70-74歳)時速4.8±0.8 km  
(75-79歳)時速4.4±0.8 km  
(80歳- )時速4.1±0.8 km

またBohannon (1997) の研究では、「快適な歩行速度(comfortable gait speed)」は、女性70代は127.2 cm/s(約1.27 m/s、5.3km/時)、男性40代は146.2 cm/s(約1.46 m/s、5.3km/時)という報告があります。

A: 公益財団法人長寿科学振興財団HPでは、以下の研究が紹介されています。
「歩行速度は認知機能の低下および認知症の優れた予測因子である。
本研究では、こうした知見を報告した17の縦断研究についてメタ分析を行い、歩行速度が速い群に比べて遅い群のリスク比が、認知機能低下で1.89(95%CI=1.54-2.31)、認知症で1.66(1.43-1.92)であることを報告した。これら研究は米国(12)の他、イタリア、スウェーデン、中国、日本、イスラエル(各1)由来のものであり、歩行速度の意義は人種を越えた普遍的なものと考えられる。」

また、認知症、心疾患、認知症、健康寿命との深い関係性を検証した論文は多数あり、以下のページに列挙しています。
(学術論文リンク)

A: 関係が大いにあるという研究報告が複数あります。
45歳のときの歩行速度が後の健康寿命に大きく影響していたという研究論文や50代の歩行速度がサクセスフルエイジングに大きく影響していたという研究論文もあります。(前項のリンク先で併せて紹介)