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家族や会社を守るために

  • 弊社のテーマは、歩行を自動的、継続的に計測し、突然の変化あるいは中長期的な変化傾向を見出し、これを『身心の変調』を早期に見出す手がかりとして活かそうというものです。
  • 家族や社員に日々気を配ることは大切ですが、忙しい日々を送る中でつい変調を見逃すことも十分あり得るでしょう。
  • 歩くリズムを自動計測し続けることで、1%の確率で生じる『心身の変調』の可能性を示すシグナルを確実に掴むことができます。
  • このシグナルが、そのまま『心身の変調』を示すわけではありません。他の要因に基づく可能性もあり得ます。しかし1%の確率なら、そのときくらいは忙しくても注意深く自分自身を振り返り、あるいは家族や社員に目を配り、何らかの異変がないか、思い当たる原因はないかと考える契機として有益に活用できます。
  • 例えば、午後から急に僅かな倦怠感を感じ始めたとき、『これくらい、気のせいだろう』と流さず、午後の計測値を確認したら良いでしょう。午後はずっと歩行率が低下したままなら、大事を取った方が安全です。
  • 本人や周囲は、スマホや計測機器が持ちえない様々な情報を持っています。最近の仕事の状況、疲れの度合い、持病等々。ですので、計測結果からすべてを導き出す必要はないのです。計測結果から『心身の変調』の可能性が早期に見つかれば、そしてその計測結果を慎重に検討すれば、早期の対処は可能になります。
  • コロナ共生社会で、我々はまだ新型コロナ感染症を治癒させる治療薬を見つけられていません。経済の悪化に伴い、メンタル不調者の増加が懸念されています。生活習慣病などの持病が重症化要因であることも分かってきました。
  • その中で我々にできることは、あくまで予防であり、早期発見であり、新型コロナ感染症であれば早期隔離です。しかし、早期発見、早期隔離は、言葉で言うほど簡単ではありません。
  • 歩行率に基づく『身心の変調』の早期発見は、その見逃しやすいというリスクを大幅に低減できるはずです。

歩行比の話

  • 『心身の変調を知る』の回で、“歩行比”という耳慣れない言葉を紹介しました。“歩行率”とも異なる言葉で、ややこしくてすみません。
  • 歩行比=歩幅(m)/歩行率(歩)と定義された値で、無意識な自然な歩行のときは歩行比が一定、つまり歩幅と歩行率は比例していると言われてます。言い換えると、速く歩こうと歩行率を高めると歩幅も広がり、ゆっくり歩くと歩幅も狭まるというわけです。
  • ですので、歩行率が分からないのに単に歩幅だけを測っても、あまり参考にはなりません。
  • この歩行比は、体調や体力に変化がなければ、日を変えても一定です。つまり、その人の特性の一つです。
  • 別の言い方をすると、歩行比が一定なので、歩行率が分かればそのときの歩幅が推計でき、歩幅に歩行率を掛け合わせて歩行速度が推計できるというわけです。重ねて言うと、このとき歩行速度は歩行率の二乗に比例しています。
  • そういうことですので、歩行比の計測も大切なのです。

心身の変調を知る

(1%の発生確率の注意喚起)

  • 日々の歩行リズム(歩行率)の変化だけで、その人の心身のどこに変調があったかまで分かる魔法の杖はありません。
  • しかし、日々の変動が2%程度しかなければ、平均値が5%以上も低下する確率は1%以下しかありません。言い換えると、1%の確率でしか生じない現象が出現しているという注意喚起が得られるのです。
  • そして、心身に変調が生じれば、歩行リズムは5%以上容易に変わります。つまり、心身に変調が生じれば、非常に高い確率で歩行リズムの変化に鮮明に現れるのです。
  • もちろん、心身の変調以外の要因で歩行リズムが変わっている可能性もありますが、注意喚起の確率は1%程度ですから、心身に変調がないことが確認出来たら、良かったと受け止めれば良いのではないでしょうか。

(突然の変調)

  • 例えば、ある日突然に、一日の大半が普段の“歩きやすいリズム”よりも5%以上遅いリズムで歩いていたとすれば、何か変調が生じた可能性が高いと見なすことに無理はないでしょう。そして、体に倦怠感を覚えれば、歩くリズムは簡単に5%程度以上低下します。
  • その要因まで突き止めることはできませんが、本人や周囲の人はそれが心身のどこの変調に起因しているのか、外的要因に起因しているか、容易に推測が付くでしょう。
  • コロナだということは特定できませんが、原因が風邪であるにしろ、何らか突然の体調不良によって体が重くなれば、結果は即座に現れます。

  (ある時期を境に変調が続くとき)

  • 突然の変化ではなく、ある時期を境に急速に歩くリズムが低下して、なかなか回復しないケースもあります。
  • その場合は、慢性的な体調の悪化あるいはメンタルヘルス不調の可能性が考えられます。
  • いずれも、本人や周囲は原因が何か、ある程度推測が付く場合が少なくないのではないでしょうか。

(長期的に低下傾向にあるとき、又は徐々に回復傾向にあるとき)

  • 人は40歳を境に、次第に歩行速度が低下していきます。50歳を過ぎたあたりから、若い人に追い抜かれる経験をし始めます。
  • 歩幅の狭まりが大きいのですが、歩行率も低下してきます。
  • 測定精度が非常に高いので、長期的な歩行率の低下傾向を見出すことができます。
  • 歩行率の低下傾向が見えれば、別の投稿『歩行比の話』でお示しするように歩行比を計測して以前に計測した歩行比と比べ、歩行速度の低下傾向を知ることができます。
  • 逆に、体力や脚力を付ければ、回復傾向の度合いも数値で知ることができます。回復傾向が数値で分かれば、健康づくりの励みになります。

自分の“歩きやすいリズム”を知る

  • 誰か同行者がいた可能性の高い日、即ち同じ日の歩行率のバラつきが大きな日を除き、同じ日の歩行率のバラつき(標準偏差)が小さな日だけを取り上げて、それらが数十日、例えば25日程度溜まったら、その平均値は非常に高い精度でその人固有の歩行率だと言えます。
  • 統計的に考えると、一日の歩行率のバラつきが3%以下の日だけを25日間取り上げ、それぞれの日には25回計測できているとすると、そのときの平均値の精度は0.1%とか0.2%とか非常に高精度だと言うことができます。
  • 実際のところは、日によって歩行環境がかなり変わっている可能性もありますし、その歩行環境を特定できているわけでもないので、そこまでの精度を保証できるものではありませんが、いずれにしてもかなりの高精度で人固有の“歩きやすいリズム”を特定できることに間違いありません。
  • そうなると、
    • その日の歩行率のバラつきが3%以下なら、その人固有の歩きやすいリズム(歩行率)と比較して、同程度か速いか遅いかの判別がつきます。
    • 3カ月程度毎に“歩きやすいリズム”の推移を追っていくことで、中長期的な変化傾向を知ることができます。
    • 歩行率のバラつきが大きければ、同行者がいたなどの何か外的要因があったことが推測できます。

心身の変調以外の要因で、歩行リズムが変わることはないのか?

  • 実は、あります。主なものは、誰か他の人と長い時間歩いた日です。そういう日は当然に、同行した人固有の歩行リズムに引っ張られて、計測値は大きく変わることが少なくありません。
  • 自分自身のペースで歩いたときと、同行者のペースに合わせて歩いたときが混ざるため、平均の歩行率は両者の中間になります。同時に、個々の歩行率計測値とそれらの平均値との差分(差し引き)も大きくなるので、平均値に対するバラつき(標準偏差)もかなり大きくなってしまいます。
  • 一人で歩いた日の標準偏差が概ね2~3%であるのに対し、他の人と歩いた日の標準偏差は3~5%、ないしそれ以上になることもあります。
  • 但し、逆に足並みが揃っていれば、あるいは互いの固有の歩行リズムが似通っていれば、標準偏差が1,2%のときもあります。
  • 従って、多くを自分一人で歩いた日と、多くを誰か同行者がいて一緒に歩いた日は、計測結果から高い確率で区分することができます。
  • 同行者以外の要因でも、例えば普段は行かない山道や砂利道を長く歩いた日も同様です。
  • ちなみに、投稿『日々の歩行リズムは驚くほど一定』で、191日間の標準偏差は2.20%だったと事例を紹介しましたが、一日のバラつきが2.5%以下の日に限定して日毎の平均値の86日間のバラつきを見てみると、標準偏差で1.96%しかバラついていませんでした。

通勤で急ぎ足のときあるし、混雑した駅中を歩くときもあるのに、何故?

  • 前にも述べましたが、急ぎ足でもリズムの速さは実は+5%程度で、実際にはそれほど大きな違いは生じていません。
  • 加えて、急いで歩くときは、人にぶつかりそうになって歩くリズムが乱れることも多く、急ぎ足では曲がり角などでリズムが乱れやすいです。つまり同じリズムが20歩以上も続くことが比較的少ないのです。
  • また一日の中では急ぎ足の時は少ないために、一日を通してみると影響が小さいのです。
  • 混雑した駅中では、人波に合わせて歩くため、リズムが頻繁に乱れ、同じ歩行リズムが20歩も続くことは多くありません。買い物などでも、20歩(約15m)も同じ歩行リズムが続くことは少ないです。
  • 結局、20歩程度リズムが継続する歩行の多くは普通の速さで歩いているときのものなので、計測結果もその普通の時の歩行を強く反映しています。
  • そうは言っても影響がまったくないわけではないので、1ないし2%前後の影響は生じます。日々2,3%の変動がある要因の一部はこれです。

無意識の時に同じ歩行リズムになるのは何故?

  • 人は歩行リズム(歩行率)を5%程度早めるだけで、しばらくすると息が上がるくらい早く疲れてきます。
  • 歩行率の5%は速度にすると概ね10%の変化ですが、歩行率のたった5%の違いで、疲れ方はまったく異なってきます。試してみたら実感できます。
  • 逆に歩行率を5%遅くすると、かなりゆっくり歩いている気分になります。場合によってはまどろっこしく感じるでしょう。
  • 歩行リズムはそれだけ身に染み付いているものなので、無意識なときは自分に固有の歩行リズム(歩行率)で歩いてしまっているのです。これは、動物である人に備わる中枢パターン発生器のメカニズムによるものです。
  • 但し、そうは言っても、その日の体調や環境で若干の変動はします。変動はするものの、その変動の程度は標準偏差で2ないし3%と日々の変動は通常は小さいのです。
  • 逆に言うと、5%程度以上のちょっとした大き目の変化がすぐ分かるのです。

歩くリズムはそのときどきで変わるのに、どこが一定なのか?

  • すべての歩みを見れば、当然にそのときどきでリズム(歩行率)は変化し続けています。しかしリズミカルに歩き続けている区間だけを一日ないし数日集めてみると、そのときの歩行リズムはその人特有の値であることが非常に多いため、“日々の歩行リズムは驚くほど一定”だと言えるのです。
    弊社の開発した計測法では、20歩程度(約15m)を継続的にリズミカルに歩いた際のリズム(歩行率)だけを抽出して分析しています。このような抽出の仕方をすると、人それぞれに特有の歩行リズムがあることが鮮明に分かるのです。
  • 左右二歩の所要時間を歩行周期と言い、その半分が1歩の時間ですが、そこから計算される1分間あたりの歩数を歩行率(歩行リズムの速さ)と言います。
  • 人が平坦な道を無意識に歩いているときは、多くの場合、同じ歩行リズムが持続しています。このときの歩行周期はまるで精密機械のように一定で、その平均値に対する変動の度合い(歩行周期変動係数)は、健常者で1~2%、足腰の弱った高齢者でも2~3%と言われています。びっくりですね。
  • このような、同じリズムが継続しているときの歩行リズムだけを抽出すると、その人特有の歩行リズムが鮮明に浮かび上がってきます。
  • 以下、歩行リズムが一定と言うときに対象としているのは、一定歩行区間の歩行周期変動係数が3%程度以下のときの歩行です。
  • ちなみに、各20程度の歩行毎の歩行率の計測誤差は0.3%程度ですので、計測誤差はほとんど無視できます。

日々の歩行リズムは驚くほど一定

(半年あまりの歩行リズムの推移例)

  • グラフは、191日間の歩行リズム(歩行率)の日平均計測事例です。各計測回の計測誤差は約0.3%です。
  • 日々の平均歩行率は驚くほど一定で、平均値は120.7歩/分、その変動は標準偏差2.2%しかありません。つまり5%以上の変化、平均歩行率が127歩/分以上または114歩/分以下となる確率はそれぞれ1%しかないということです。
  • それぞれの日毎に詳しく見てみると、その日の歩数にもよりますが、一日で20歩程度のリズミカルな歩行を数十回から多い日で200回以上観測しています。そして、それらの歩行率は一日の中でも標準偏差が2%ないし3%程度であることが多く、非常に安定しているのです。
  • つまり、午前も午後も夕方も、無意識の内に常に同程度のリズム(歩行率)で歩いていることが多いということです。ある意味では当たり前のように思えますが、ここまで安定したリズムで歩いているというのは驚きです。
  • 特に、秋も冬も春も、リズムがほとんど変わらなかったのは、開発者の私自身でも驚きでした。このように、一日を通して人がどのようなリズムで歩行しているかを計測したのは、恐らく弊社が初めてなので、このような驚く計測結果も恐らくは世界初です。
  • 何故、世界初かと言うと、弊社が開発した計測法の特許が成立する見通しだからです。

(心身の変調は、歩行リズムに敏感に現れる)

  • 普段の歩行リズムより5%以上低い日が全体の1%程度しかなければ、ちょっと体調が悪くて歩みが遅くなっただけでも、その日の平均歩行率の計測結果に端的に現れます。
  • 例えばこの191日の中で、出歩いている内にいつもより早めに疲れを感じた日は、3%だけリズムが遅くなっていました。
  • その日は特に体調が悪かったわけではなく、出掛ける時は普段通りだったのですが、天気が良かったせいか、疲れが少し早めに出た程度でした。そんな程度でも、結果が明確に出るのです。
  • このようにちょっとした体調の変化でも、結果は計測値に極めて敏感に現れます。ですので、心身の変調があれば、その結果はもっと顕著に現れるのです。