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android版とiPhone版の違いと課題

android高精度版の課題

android高精度版は、歩行周期を正確に捕捉して日常歩行を計測しており、補足するサンプル数も大量なので、計測結果の信頼性は極めて高いです、ただ、そこで用いる端末の歩数カウントセンサー性能が十分に高い必要があります。
SharpやXperiaでは満足のいく計測結果が得られていますが、GalaxyやPixelでは歩数カウント時刻の正確性が劣るために十分なサンプル数が得られず、計測も正確にできないという課題が判明しました。
身体活動データ使用の同意が必要なため、android10以上であることも必要なため、利用できる端末が限られてしまいます。

android通常版の課題

高精度版の使用機種が限られることから、Google Fit APIを利用した通常版を開発しました。精度は少し落ちますが、対象機種は広いです。
ただ実際に足取り計をインストールして稼働してみると、歩数カウントセンサーの性能が十分ではない機種では、足の接地時刻の正確性が劣るせいか、計測性能が劣るようです。
また、Google Fit APIを利用した足取り計とiPhone版足取り計は類似したアルゴリズムで計測しているのですが、Google Fit API特有のデータ処理方法の癖が原因なのでしょうか、Google Fit API内の一定時間内の歩数を順次追ってみると、あり得るはずのない歩数が多く観測されます。
これは、非常に似たデータ保存の仕方をしているappleのHealth Kitには見られない傾向です。恐らくはフーリエ変換などの組み込み方の違いなのではないかと推測します。
そのために、計測値の処理方法に少し工夫が必要です。

ただ、androidはiPhoneと異なりバックグラウンドでの作動が可能なので、多少の期間はアプリを開かなくても計測が継続されることが強みです。

iPhoneの場合は

iPhoneのiOSではバックグラウンドの作動が許されていないので、アプリを開いたときにモバイル内に自動的に蓄積されていたデータを引き出して計測します。
計算方法はandroid通常版に似ていて、android高精度版よりは劣るはずなのですが、実際に数十日使用してみると、同時に持ち歩いた2台の端末の計測値は、日々非常に似た値を示し、足取り計iPhone版の計測誤差は十分に許容範囲内であることが確認できています。

何故、android高精度版とiPhone版の計測値は似た値になるのか?

理由は明確です。
両者の計測結果の歩行率別発生頻度分布は、どちらも極めて尖度の高い特徴的なグラフになっています。この尖度の高いところは、被計測者の歩行特性に起因しているものなので、計測方法が多少異なっても、その歩行特性を十分に捕捉している限りは同じ計測結果になるからです。
他方、android通常版では、グラフの山が幾つもできてしまい、その中から特性値を選択することになります。
またGoogle Fit APIの捕捉の仕方の粗さも影響しています。これは、センサー性能が異なる多彩なandroid端末上で運用することの難しさからきているのかもしれません。

2021年秋、大規模調査研究を開始

 千葉大学 予防医学センターの研究として、2,000名規模の足取り計データを収集し、個々のモニターの属性や生活状態などの情報とを合わせた研究が開始されます。

 世代や性別毎に、足取りがどのように現れるのか、足取りと健康の関係性を解明していく土台になるものと期待しています。

2021年8月7日更新:少し心配なこと

2021年8月7日 自分自身の速度低下を直視せざるを得なくなると

 昨年春までは歩行率がずっと120歩/分強で続いていて、夏バテでちょっと落ちたものの秋には回復していたのに、今年は夏前から118歩/分前後の日がとても多くなっている。
 確かに若い人に抜かれることが時々あるようになってきた。足には自信があったはずなので、まさか自分の身にこんなに早くこんな事態が起きようとは驚き。
 定期的に運動していたし、雨でもなければ日に8,000歩は歩くように心掛けていたけれど、コロナ禍で在宅ワークとなって、知らず知らずに運動不足になっていたのか?
 正直、気持ち的には受け入れ難いところもある。老化ではなく、コロナ禍のせいだと考えたい。確かに、言われてみれば歩き方が少しゆっくりになってきたような気もするが、かと言って明確に落ちてきたというまでの認識はない。

 しかし足取り計の計測値の精度は相当に高いし、統計学的にも十分なサンプル数に基づいた解析結果なので、ここはしっかりと受け止めて対策を練る必要があると考えざるを得ない。
 1%程度の変化傾向まで把握できるのが足取り計の利点なので、これが実証されたことは嬉しいが、それが自分の身にこんなに早く起たことは少々辛い。
 非常に複雑な気持ちだ。

2020年9月27日 急に涼しくなって

振り返ってみると、確かに暑さに負けて、歩くと少々疲れるなと感じたときが少なくなかった。なんのことはない、夏バテだったのですね。多分、人生で初めての夏バテではないだろうか。だから、ちょっと驚いたのかもしれない。

それと、コロナの影響で、在宅で仕事をする時間が長くなったのも無視できない。ときおり仕事場に出かけた日は速さが戻っていることもあるので。聞くところによると、今年は歩く速さが落ちている人が多くなっているという話だし。

ずっと雨が続いて急に涼しくなったら、歩行率、歩行速度はしっかり元どおりの速さに戻ってきました。

これで分かったのは、夏バテの影響は歩行率で3ないし5%程度、歩行速度で6ないし10%程度落ちるということ。安部前首相のように25%も落ちることはない。

歩行率で5%超、歩行速度で10%超の低下があったら、何が原因かを振り返るのが大切なのだろう。

2020年9月12日  やっと暑さが和らいで                

歩く速さが遅くなってずいぶん時間が経ったけど、やはり速度は変わらず遅めです。少し長く歩いていると、暑さで体が気怠く感じているのが速さに反映しているように思う。昨日は久しぶりに涼しかったので、雨上がりの夕方に歩いたから、分速92m/分と速さは少し戻っていたけれど。

自分自身はと言えば、前回以来さほど改善せず、ときおり90m/分を超えるものの、90m/分を下回る方が多い。6日前に家人と少し遠方まで散歩した日は、大変な暑さで家人がふらふらになってしまい、これまでに経験のない82.5m/分という平均速度の記録が出ました。連れ立って歩いたからということではありますが、それでも速度の低下率は10%強でした。

体調が普通であれば、変動の範囲はそんな程度です。ですので、安倍首相の低下率25%というのは通常の範囲を超えた値と見なせるのでしょう。

こうしてみると、歩く速さは歳とともに緩やかに落ちていくというように思っていたけど、暑さとか何かのイベントで速さがガクンと落ちて、その後の戻りが不十分というようなパターンもかなりありそうな気がする。いよいよ涼しい季節になって、歩く速さが元に戻るのかどうか要チェック。

2020年8月14日  安倍首相の歩く速度の低下が話題に

官邸の同じ距離を4月には18秒で歩いていたのが、最近は23、3秒かかっていて体調が心配だと報道されています。その意味はともかく、25%も速度が低下すれば、さすがに周囲も気付いて気になるということなのでしょう。

家族や会社を守るために

  • 弊社のテーマは、歩行を自動的、継続的に計測し、突然の変化あるいは中長期的な変化傾向を見出し、これを『身心の変調』を早期に見出す手がかりとして活かそうというものです。
  • 家族や社員に日々気を配ることは大切ですが、忙しい日々を送る中でつい変調を見逃すことも十分あり得るでしょう。
  • 歩くリズムを自動計測し続けることで、1%の確率で生じる『心身の変調』の可能性を示すシグナルを確実に掴むことができます。
  • このシグナルが、そのまま『心身の変調』を示すわけではありません。他の要因に基づく可能性もあり得ます。しかし1%の確率なら、そのときくらいは忙しくても注意深く自分自身を振り返り、あるいは家族や社員に目を配り、何らかの異変がないか、思い当たる原因はないかと考える契機として有益に活用できます。
  • 例えば、午後から急に僅かな倦怠感を感じ始めたとき、『これくらい、気のせいだろう』と流さず、午後の計測値を確認したら良いでしょう。午後はずっと歩行率が低下したままなら、大事を取った方が安全です。
  • 本人や周囲は、スマホや計測機器が持ちえない様々な情報を持っています。最近の仕事の状況、疲れの度合い、持病等々。ですので、計測結果からすべてを導き出す必要はないのです。計測結果から『心身の変調』の可能性が早期に見つかれば、そしてその計測結果を慎重に検討すれば、早期の対処は可能になります。
  • コロナ共生社会で、我々はまだ新型コロナ感染症を治癒させる治療薬を見つけられていません。経済の悪化に伴い、メンタル不調者の増加が懸念されています。生活習慣病などの持病が重症化要因であることも分かってきました。
  • その中で我々にできることは、あくまで予防であり、早期発見であり、新型コロナ感染症であれば早期隔離です。しかし、早期発見、早期隔離は、言葉で言うほど簡単ではありません。
  • 歩行率に基づく『身心の変調』の早期発見は、その見逃しやすいというリスクを大幅に低減できるはずです。

歩行比の話

  • 『心身の変調を知る』の回で、“歩行比”という耳慣れない言葉を紹介しました。“歩行率”とも異なる言葉で、ややこしくてすみません。
  • 歩行比=歩幅(m)/歩行率(歩)と定義された値で、無意識な自然な歩行のときは歩行比が一定、つまり歩幅と歩行率は比例していると言われてます。言い換えると、速く歩こうと歩行率を高めると歩幅も広がり、ゆっくり歩くと歩幅も狭まるというわけです。
  • ですので、歩行率が分からないのに単に歩幅だけを測っても、あまり参考にはなりません。
  • この歩行比は、体調や体力に変化がなければ、日を変えても一定です。つまり、その人の特性の一つです。
  • 別の言い方をすると、歩行比が一定なので、歩行率が分かればそのときの歩幅が推計でき、歩幅に歩行率を掛け合わせて歩行速度が推計できるというわけです。重ねて言うと、このとき歩行速度は歩行率の二乗に比例しています。
  • そういうことですので、歩行比の計測も大切なのです。

心身の変調を知る

(1%の発生確率の注意喚起)

  • 日々の歩行リズム(歩行率)の変化だけで、その人の心身のどこに変調があったかまで分かる魔法の杖はありません。
  • しかし、日々の変動が2%程度しかなければ、平均値が5%以上も低下する確率は1%以下しかありません。言い換えると、1%の確率でしか生じない現象が出現しているという注意喚起が得られるのです。
  • そして、心身に変調が生じれば、歩行リズムは5%以上容易に変わります。つまり、心身に変調が生じれば、非常に高い確率で歩行リズムの変化に鮮明に現れるのです。
  • もちろん、心身の変調以外の要因で歩行リズムが変わっている可能性もありますが、注意喚起の確率は1%程度ですから、心身に変調がないことが確認出来たら、良かったと受け止めれば良いのではないでしょうか。

(突然の変調)

  • 例えば、ある日突然に、一日の大半が普段の“歩きやすいリズム”よりも5%以上遅いリズムで歩いていたとすれば、何か変調が生じた可能性が高いと見なすことに無理はないでしょう。そして、体に倦怠感を覚えれば、歩くリズムは簡単に5%程度以上低下します。
  • その要因まで突き止めることはできませんが、本人や周囲の人はそれが心身のどこの変調に起因しているのか、外的要因に起因しているか、容易に推測が付くでしょう。
  • コロナだということは特定できませんが、原因が風邪であるにしろ、何らか突然の体調不良によって体が重くなれば、結果は即座に現れます。

  (ある時期を境に変調が続くとき)

  • 突然の変化ではなく、ある時期を境に急速に歩くリズムが低下して、なかなか回復しないケースもあります。
  • その場合は、慢性的な体調の悪化あるいはメンタルヘルス不調の可能性が考えられます。
  • いずれも、本人や周囲は原因が何か、ある程度推測が付く場合が少なくないのではないでしょうか。

(長期的に低下傾向にあるとき、又は徐々に回復傾向にあるとき)

  • 人は40歳を境に、次第に歩行速度が低下していきます。50歳を過ぎたあたりから、若い人に追い抜かれる経験をし始めます。
  • 歩幅の狭まりが大きいのですが、歩行率も低下してきます。
  • 測定精度が非常に高いので、長期的な歩行率の低下傾向を見出すことができます。
  • 歩行率の低下傾向が見えれば、別の投稿『歩行比の話』でお示しするように歩行比を計測して以前に計測した歩行比と比べ、歩行速度の低下傾向を知ることができます。
  • 逆に、体力や脚力を付ければ、回復傾向の度合いも数値で知ることができます。回復傾向が数値で分かれば、健康づくりの励みになります。

自分の“歩きやすいリズム”を知る

  • 誰か同行者がいた可能性の高い日、即ち同じ日の歩行率のバラつきが大きな日を除き、同じ日の歩行率のバラつき(標準偏差)が小さな日だけを取り上げて、それらが数十日、例えば25日程度溜まったら、その平均値は非常に高い精度でその人固有の歩行率だと言えます。
  • 統計的に考えると、一日の歩行率のバラつきが3%以下の日だけを25日間取り上げ、それぞれの日には25回計測できているとすると、そのときの平均値の精度は0.1%とか0.2%とか非常に高精度だと言うことができます。
  • 実際のところは、日によって歩行環境がかなり変わっている可能性もありますし、その歩行環境を特定できているわけでもないので、そこまでの精度を保証できるものではありませんが、いずれにしてもかなりの高精度で人固有の“歩きやすいリズム”を特定できることに間違いありません。
  • そうなると、
    • その日の歩行率のバラつきが3%以下なら、その人固有の歩きやすいリズム(歩行率)と比較して、同程度か速いか遅いかの判別がつきます。
    • 3カ月程度毎に“歩きやすいリズム”の推移を追っていくことで、中長期的な変化傾向を知ることができます。
    • 歩行率のバラつきが大きければ、同行者がいたなどの何か外的要因があったことが推測できます。

心身の変調以外の要因で、歩行リズムが変わることはないのか?

  • 実は、あります。主なものは、誰か他の人と長い時間歩いた日です。そういう日は当然に、同行した人固有の歩行リズムに引っ張られて、計測値は大きく変わることが少なくありません。
  • 自分自身のペースで歩いたときと、同行者のペースに合わせて歩いたときが混ざるため、平均の歩行率は両者の中間になります。同時に、個々の歩行率計測値とそれらの平均値との差分(差し引き)も大きくなるので、平均値に対するバラつき(標準偏差)もかなり大きくなってしまいます。
  • 一人で歩いた日の標準偏差が概ね2~3%であるのに対し、他の人と歩いた日の標準偏差は3~5%、ないしそれ以上になることもあります。
  • 但し、逆に足並みが揃っていれば、あるいは互いの固有の歩行リズムが似通っていれば、標準偏差が1,2%のときもあります。
  • 従って、多くを自分一人で歩いた日と、多くを誰か同行者がいて一緒に歩いた日は、計測結果から高い確率で区分することができます。
  • 同行者以外の要因でも、例えば普段は行かない山道や砂利道を長く歩いた日も同様です。
  • ちなみに、投稿『日々の歩行リズムは驚くほど一定』で、191日間の標準偏差は2.20%だったと事例を紹介しましたが、一日のバラつきが2.5%以下の日に限定して日毎の平均値の86日間のバラつきを見てみると、標準偏差で1.96%しかバラついていませんでした。

通勤で急ぎ足のときあるし、混雑した駅中を歩くときもあるのに、何故?

  • 前にも述べましたが、急ぎ足でもリズムの速さは実は+5%程度で、実際にはそれほど大きな違いは生じていません。
  • 加えて、急いで歩くときは、人にぶつかりそうになって歩くリズムが乱れることも多く、急ぎ足では曲がり角などでリズムが乱れやすいです。つまり同じリズムが20歩以上も続くことが比較的少ないのです。
  • また一日の中では急ぎ足の時は少ないために、一日を通してみると影響が小さいのです。
  • 混雑した駅中では、人波に合わせて歩くため、リズムが頻繁に乱れ、同じ歩行リズムが20歩も続くことは多くありません。買い物などでも、20歩(約15m)も同じ歩行リズムが続くことは少ないです。
  • 結局、20歩程度リズムが継続する歩行の多くは普通の速さで歩いているときのものなので、計測結果もその普通の時の歩行を強く反映しています。
  • そうは言っても影響がまったくないわけではないので、1ないし2%前後の影響は生じます。日々2,3%の変動がある要因の一部はこれです。

無意識の時に同じ歩行リズムになるのは何故?

  • 人は歩行リズム(歩行率)を5%程度早めるだけで、しばらくすると息が上がるくらい早く疲れてきます。
  • 歩行率の5%は速度にすると概ね10%の変化ですが、歩行率のたった5%の違いで、疲れ方はまったく異なってきます。試してみたら実感できます。
  • 逆に歩行率を5%遅くすると、かなりゆっくり歩いている気分になります。場合によってはまどろっこしく感じるでしょう。
  • 歩行リズムはそれだけ身に染み付いているものなので、無意識なときは自分に固有の歩行リズム(歩行率)で歩いてしまっているのです。これは、動物である人に備わる中枢パターン発生器のメカニズムによるものです。
  • 但し、そうは言っても、その日の体調や環境で若干の変動はします。変動はするものの、その変動の程度は標準偏差で2ないし3%と日々の変動は通常は小さいのです。
  • 逆に言うと、5%程度以上のちょっとした大き目の変化がすぐ分かるのです。